道行きみちゆき

細道への旅

旅の始まりは、海の香り漂う、異国めいた港町から。 ここでも人は、返らぬ時の中をゆきます。海と山にはさまれた岸辺で、何百年も、食べものを時間に託しながら。発酵とは、移ろい(無常)のただなかに、変わらぬもの(常住)を見出す営みでした。 日々旅にして旅を栖とす。あなたの旅が始まります。

物語の背骨

海 — 町 — 静 — 山

  1. 01

    海で生まれる

    海辺の町のみりん・白醤油。廻船で江戸へ運ばれた、水路の発酵。

  2. 02

    町に根づく

    町のたまり、豆味噌。街道と廻船の道。

  3. 03

    静けさで深まる

    庭の哲学、抹茶と禅。余白が発酵を受ける。

  4. 04

    山で完成する

    山里の懐石。発酵が料理になり、円環が閉じる。

四つの道

序から不易流行へ——浅い入口から深い頂へ。並び順そのものが、物語の深度を表します。

jo

le prélude

発酵という、時間の入り口

半日〜1日

旅立ちの一歩。みりんと白醤油という発酵の二大基礎にだけ触れる、細道への入口。最も小さく、最も可逆な一本。

この旅が抱くもの

  • 二百年以上続く蔵で、醸しの現場に身を置く
  • 発酵という一点から、味と歴史の源をたどる
  • 作り手の手元を間近に、手仕事に立ち会う

このコースで出会うもの

みりんと白醤油——発酵の二つの源に触れる、半日からの入口。蔵で手仕事に立ち会い、発酵と菓子が出会う一皿を味わう、最も小さな一歩。

umi-yama

海山

mer et montagne

海と山、ひとつの土地が結ぶ恵み

1泊2日

海の濃さの後に、山の静。同じ愛知で海と奥三河の対比を一泊で身体に通す、Hosomichi の背骨そのもの。

この旅が抱くもの

  • 二百年以上続く蔵で、醸しの現場に身を置く
  • 発酵という一点から、食・歴史・美を一続きに辿る
  • 抹茶と禅がもたらす、静けさの時間
  • 作り手の手元を間近に、手仕事に立ち会う

このコースで出会うもの

海の発酵から山の静けさへ、一泊二日。みりんと白醤油の蔵で手仕事に立ち会い、抹茶と禅の時間を経て、土地の食卓に憩う。

meguri

le pèlerinage

受け継がれてきた道を、町から町へ

2泊3日

町から町へ、蔵から蔵へ。発酵が旅した道(廻船・東海道)を辿る三日間。海山に「町をもう一日」を重ねる。

この旅が抱くもの

  • 幾代も継がれた手法に、時間そのものを見る
  • 発酵が辿った道を、食・歴史・美の一続きとして読む
  • 抹茶と禅がもたらす、静けさの時間
  • 作り手の手元を間近に、手仕事に立ち会う

このコースで出会うもの

町から町へ、蔵から蔵へめぐる三日間。みりん・白醤油・豆味噌という発酵の素材に立ち会い、抹茶と禅の静けさを挟みながら、土地の食卓へと至る。

fueki-ryūkō

不易流行

le permanent et l'éphémère

変わらぬものと、移ろうもの

3泊4日

芭蕉の根本理念を冠する最上位。変わらぬもの(200年の木桶・製法)と移ろうもの(季節の食卓)を四日で知る旅。

この旅が抱くもの

  • 二百年の木桶が伝える、変わらぬ時間に立ち会う
  • 発酵という一点から、食・歴史・美を貫いて辿る
  • 抹茶と禅、間と侘び——観想のための静けさ
  • 作り手の手元を間近に、手仕事に立ち会う

このコースで出会うもの

四日間で、変わらぬものと移ろうものの両方を辿る最上の道。みりん・白醤油・たまり・豆味噌の発酵に蔵で立ち会い、抹茶と禅の静けさを経て、土地の食卓で円環が閉じる。

はじまりは、フランスで日本の原料と製菓技術を融いだ菓子づくりでした。本当に旨い素材を求めるほど、行き着いたのは発酵という、時間そのものを食べる文化。この道行きは、その一点から食・歴史・美を辿ります。

私たちは多くを語りません。短い立ち会いのなかに、二百年の時間が宿っています。

細道は、まだ続く

四つの道の背景にある思想と土地の物語は、文庫に記しています。

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